第73回卒業式 式辞

学校長 中山 達朗

都幾の山々から吹く風も早々に和らぎ、木々の芽が膨らみを増し、今年も新たな希望にわく春が巡ってまいりました。 本日ここに
埼玉県議会議員       渋谷真実子 様
坂戸市教育委員会教育長   太田 正久 様
山村学園むらさき会会長   田中 久子 様
山村国際高等学校 後援会会長 時任由美子 様をはじめ、多数の御来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り令和五年度 学校法人山村学園 山村国際高等学校第七十三回卒業式が厳粛に挙行できますことは、教職員一同この上ない喜びであります。

ただ今、231名の卒業生の皆さんに卒業証書を授与いたしました。 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは、三年前、自らの夢と希望を胸に抱き、入学いたしました。 以来 校訓である「質実」「英知」「愛敬」のもと素直な気持ちで、高い知性と優れた想像力を発揮し学習や部活動、学校行事、委員会活動に熱心に取組みました。 特に、学園創立百周年記念祭では、生徒実行委員会や各部門のリーダーとして、光輝ある百年の歴史と伝統や先人の想いを次世代に継承する大役を果たしました。 こうして、知力・気力・体力を養い、一回りも二回りも成長し、明日からは、それぞれの道へと旅立ちます。この意義深い門出にあたり、心から幸多かれとお祈りいたします。またこの間、陰に陽にお子様を育み支えてこられました 保護者の皆様方にも改めてお祝い申し上げます。お子様のご卒業、誠におめでとうございます。こうした慶びの日に当たり、餞の言葉を二つ申し上げます。

一つ目は、「夢や志を持ち続ける」ということです。 卒業という新たな出発に、夢や志はつきものです。これからの数年は、山村国際高校で培った基礎基本の上に確かな骨格を組立てる時期に当たります。 より深く、専門的な学習に取組むとともに物の見方・考え方・人生観・職業観などを確立し、夢や志の実現を目指してください。 しかし、夢や志は単なる自己中心的な実現ではあってはなりません。自分の夢や志がどうしたら人々の幸福に役立つかと言うことを常に考えていくことが大切です。 こうしたことを踏まえて、皆さんの日々の教育活動を振り返ると進路では、目標達成に向け、毎晩遅くまで机に向かい、演習問題や論文作成に取組んできました。 また、紫藤祭では、新型コロナウイルス感染症の分類変更に伴い、沢山の方がご来場できるようになり、最高の笑顔でお迎えし、山国生らしさを存分に発揮してくれました。そして、部活動では、力の限りのプレイ・演技・演奏・作品制作・研究発表などにより、多くの方を魅了するとともに、力の限りを出し尽くした皆さんの思いは、大きな拍手や歓声とともに、熱い感動と勇気を与えました。 夢や志の実現までの道のりは、常に平坦なものではないかも知れません。 挫けずに自分の出来る限りの努力を継続することが大切です。例えすぐに結果が出なくとも、「人事を尽くして天命を待つ」「天は自ら助くるものを助ける」と言う言葉があります。 これらは単なる運命論を言ったのではなく、確かな経験則から来ているのです。一生懸命な人、誠実な人には誰かが見ていて、必ず理解者が現れ、思いや願いが叶うものです。 私は校長として、こうした活動に真面目に、真摯に取り組んだ皆さんを自慢の卒業生として誇りに思います。そして、今後のご活躍を大いに期待しております。

二つ目は、「社会への還元と感謝の心」です。皆さんが今日あるのは、お父さん・お母さん、家族、友人、そして、先生方をはじめ多くの人の支えがあっての事です。 人からの恩を忘れることなく周囲の方への感謝の心を持ち続けてください。 43歳の若さで第35代アメリカ合衆国大統領に就任したケネディは、就任演説の中で「あなた方は合衆国に対して何をしてもらうのかを問うのではなく、合衆国に対して何ができるかを問うべきである」と言っています。 ASK NOTで始まる有名な一節です。これからは、皆さんが親や社会に対してどうしたら役に立てるかを考え実行する時が来たのです。 結びに、保護者の皆様にお礼とお願いを申し上げます。入学以来、この三年間、ときには厳しく、ときには温かく、そして、優しくお子様を励まし支えていただくとともに、本校の教育活動に絶大なるご理解とご協力を賜りましたことに心から感謝申し上げます。 親という文字は、「立つ木を見る」とあります。三年前お預かりしました幼木が「若木」として立派に成長いたしました。自信を持って保護者の皆様へお戻しいたします。 私は、卒業生の皆さんの学習活動・部活動・生徒会活動・ボランティア活動などを見るにあたり学年を追うごとに成長し、それぞれの場面でリーダーシップを発揮する姿に感動を受けるとともに頼もしさを感じました。 このように成長を遂げた「若木」がしっかり根を張って、より成長し、成木となるまで、人生の先輩としてお子様たちを温かく見守っていただきますようお願い申し上げます。

卒業生にとりまして「山村国際高等学校」は、生涯にわたり母校です。 諸先輩が脈々として築き上げてきた山村国際高等学校の実績を更に確かなものとし、卒業生の皆さんが母校として誇れる学校づくりに引き続き邁進することをお約束いたします。 これからも嬉しい報告や相談したいことがありましたら遠慮なくお越しください。

それでは、卒業生の益々のご健勝並びにご発展、ご臨席賜りました皆様方のご多幸をご祈念申し上げ、式辞といたします。

令和6年3月3日
学校法人山村学園 山村国際高等学校
校長 中山 達朗
 

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