第74回入学式 式辞

今を盛りに咲き競う花々と奥武蔵の山々の緑もまし、
今年も希望に満ちた春が巡ってきた今日の佳き日に

埼玉県議会議員       渋谷真実子 様
坂戸市教育委員会 教育長  太田 正久 様
坂戸市立浅羽野中学校 校長 小林 正明 様

をはじめ学園関係者、御来賓そして保護者の皆様のご臨席の下
令和六年度 学校法人 山村学園 山村国際高等学校
第七十四回入学式が挙行できますことは、教職員一同このうえない喜びであります。

学校長 中山 達朗

ただ今、呼名をされました269名の皆さんに入学を許可いたしました。
ご入学おめでとうございます。
また、お子様を日々温かく見守り、育んでこられました保護者の皆様の喜びも一入のことと心からお祝い申し上げます。誠におめでとうございます。

本学園は、大正11年9月1日山村ふみよ先生により「裁縫手芸伝習所 山村塾」として創設されて以来、
様々な変遷を経て、昨年11月14日ベルーナドームにおいて学園創立100周年記念祭を開催し、
名実とともに伝統と光輝ある学園として発展してまいりました。

この100年の間、校訓である「質実・英知・愛敬」の元、素直な気持ちと感謝の気持ち、高い知性と優れた想像力、
そして、人を慈しみ尊敬する心をもった社会に貢献できる人間性豊かな人材の育成に励んでまいりました。
そこで、新入生の皆さんは、本日から山村国際高等学校での生活を始めるにあたり、
向こう3年間心にとめておいて欲しい「3つの心」について、お話いたします。

まずは、「自ら学ぶ心」です。高校と義務教育の違いは、
「自ら学ぶ意志を持った者だけが在籍を許される」ところにあります。
小学校・中学校の義務教育以上に、学ぼうとする意志が求められます。
その根本は授業です。日々の授業を真剣に受けることが大切です。
人の身体は、毎日のトレーニングによって、パワー、敏捷性、持久力などがついてきます。
それと同様に「頭脳」についても、毎日の学習習慣が神経回路を複雑化させ柔軟な思考力や学力の向上に繋がるものです。
こうした、日々の努力が、1、2年後には大きな差となって表れてきます。学び続ける努力こそ、その人の才能です。
「素質の差は小さく努力の差は大きい」ことを心に刻んでください。

2つ目は「感動する心」です。高校生活の中で数々の「学びや挑戦」を重ねることで、感動する心が培われます。
「学び」をとおして新しい発見に伴う知る喜び、分かる喜び、真(まこと)・善(ぜん)・美に触れる喜びを体験してください。
特に、部活動では、厳しい練習や稽古そして研究に不可能とも思えることに果敢に挑戦し、全国大会優勝やコンクール・コンテストで上位入賞を目指し
その目標を達成することで、成就感・達成感に接し、心が打ち震えるような感動や喜びに浸ってください。
この感動する心をとおして、本物の価値観や人生観を養うことができるのです。幸い、本校では、吹奏楽部・ダンス部・バトントワーリング部・男子ソフトテニス部・放送部・生物部など全国大会出場並びに全国優勝を経験するなど県内外で活躍する多くの部活動があり、その功績は、高い評価を得ております。

3つ目は、「思いやりの心」です。
論語第15編の中で、孔子に弟子の1人が次のような質問をしました。
「生涯で行うのに、ふさわしいことは何ですか。」
それに対して孔子は「如(じょ)(思い遣り)」である。と答えました。
また、郷土埼玉の偉人であり、近代実業界の父として仰(あお)がれている渋沢栄一翁は、
論語を生涯の行動規範として実践した人であります。
その彼が最も大切にした言葉が、「忠恕(真心と思い遣り)」であり、各種銀行や企業経営の根本に据えてきたと言われています。
心は、そのままでは見えませんが、心遣いや思い遣りとなれば見えます。
友に対する「思い遣りの心」を持ち、お互いを認め合うそんな気持ちを大切にしてください。
是非とも、お話申し上げました「三つの心」を大切に充実した三年間を送っていただきたいと思います。

結びに、保護者の皆様に申し上げます。
私たち教職員は、お預かりしたお子様のもつ、能力・特性を最大限伸ばし、夢の実現に向け全力で支援いたします。

そのためにも、本校の教育活動に対するご理解・ご協力を賜りますとともに、
ご家庭と学校との揺るぎない連携及び信頼関係が構築されますよう努めて参ります。

それでは、新入生の皆さんの今後のご活躍を期待するとともに、
ご臨席の皆様方のご健勝・ご発展をご祈念申し上げ、式辞といたします。

令和6年4月7日
学校法人山村学園 山村国際高等学校
校長 中山 達朗